2011年1月2日日曜日

松崎のよいところ

松崎にくると普通の地方都市とは何か違う印象を受ける。駅前ターミナル広場がないのと防潮堤がない。これで印象がまるで違うのだ。

日本のどこの地方都市に行っても同じような印象をうける最大の原因は、JRの駅前広場。どこの町に行っても、JRの駅が町の中心で、JR駅の前には広場があり、バスターミナルがあり、広場には銀行と商業ビルが立ち並ぶ。まるで同じだ。明治以来、全国津々浦々に鉄道網が敷設され、おかげで鉄道によるニッポンの規格化が進行してしまったようだ。

松崎の街にはJRも私鉄も来ていない。街道と川が町の中心にある。これで町がずいぶん落ち着いて見える。考えてみればヨーロッパの町では鉄道のターミナルは町外れに建設するのが普通。鉄道のような不粋なものは町には入れなかった。鉄道が來なかったおかげで、松崎はニッポンの普通の「地方都市化」することから救われたのである。

もう一つは港を取り巻く防潮堤がないこと。海と川の水が視線を遮られることなく町に溶け込んでいる。東京も昔は水の都だったらしいが、隅田川の景観はカミソリ堤防のおかげですっかり破壊されてしまった。安良里や田子の港の景観はあの防潮堤のおかげでずいぶん損をしていると思う。松崎港では防潮堤が目立たない。どういう工夫がされているのかよく知らないが、建物の土台を高く堅固にすることで高潮に対処しているのかもしれない。とにかくその方がよほど美しいのは事実で、とてもいい。

1 件のコメント:

  1. 901252011年5月15日 14:05

    私はシーカヤックで良く松崎に行くのですが、確かに「なにか違う雰囲気」を持った町だと思ってました。こうした分析を読むと「なるほど」と思います。

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